代表からのメッセージ

スタントンチェイスグループは2020年に創立30周年を迎えます。日本における過去20年のエグゼクティブ・サーチ案件の変遷を振り返ると、日系企業においては外部採用の変遷、更に日系企業の新たな成長とグローバリゼーションの進展を垣間見ることができます。

20年前には外資系企業案件が9割以上を占めており、日系企業の外部採用はごく限られた分野でした。その後、産業再生機構などの登場で大手日系企業の企業再生が本格化し、初の経営幹部の外部登用が実施されました。さらに大手日系オーナー企業からの経営幹部の外部採用が高まり、並行して進展したグローバリゼーションの潮流の中で、日系グローバル企業の経営幹部の外部採用が試され、次第に一般化しつつあるのが現状かと推測します。外部人材の活用も、正社員のみならずアドバイザーや社外取締役として経営に参画することも並行して行われ、また、日系企業における日本人に限定しない採用など、外部人材活用の多様化が急速に進展しています。

よりグローバルにダイナミックに変化する市場環境での企業成長/企業再生の施策は、様々に複雑に絡み合った問題を対処療法的に解決するよりも、「本質的な課題の発見」が最優先であるという認識が高まり、新たな「課題設定」のために、様々な手法や開発がグローバルレベルで進行しつつあります。

その中で、採用面では、企業再生は新たな外部の経営幹部人材の採用のみでは達成されず、如何に社内外の有能人材と協業しシナジーを起こし「知を結集」させるか? いわゆるTalent Integration Designに大きな関心が集まっており、その知のインフラ構築のコンセプトリーダー役のデザイナーと協業し、組織デザインや企業ビジョンの再構築を担うケースが多々見られるようになってきました。

課題先進国と言われる日本で、これからの新しい日本をどう創っていくか?は、グローバル化社会においても注目度が高い問題です。高度成長は望めない環境における、「新しい日本の姿、新しい企業の姿、新しいキャリア形成の姿」の良い先例の構築に「知を結集」させ、その成果をグローバルに発信していく必要性を痛感しております。弊社は組織・人材コンサルティング、人材補充を通して、「新しい日本を創る」ためのサポートにこれからも邁進していきたいと思います。


下野 稔 / 代表取締役社長 マネージングディレクター